2003-12-15

近況

仕事が進まない. 眠い. ぼうっとしているうちに一日が終わってしまった. 原因に思いあたる節はいくつかある. ひとつは寝不足. あとは会社があたたかいこと. 事務所の空気が異常に眠気を誘う. 暖房の温度設定はかなり低いはずなのに, 暖い. 暑いという人もいる. 計算機が多いせいか, 人が多いのか. 普段通りにカリカリ仕事をしている人もいるから誰にとっても暑いわけではないのだろうけれど, 私には辛い. ミーティング中に寝ている自分に気付きなんともへこむ. いっそ 一階は 20 度, 二階は 21 度, 三階は 22 度...と気温別でフロアをわけて, 各自好きな温度で仕事をすれば良いなどと不毛な妄想をしてしまう.

せいぜい早く寝るとしよう.

How not to propose marriage / あるいはインテルより愛を込めて

ねえ. とても大事は話があるんだ. 僕たちかれこれ 2.718 年も付き合っているよね. ...この自然数を仮に e をしよう... もう君なしの人生なんて考えられない. 君はかわいいし, とても素敵だ. それに言葉にできないくらい美しい. 僕はすっかり君の虜だよ. きみがどんなに素晴しいかをちゃんと査定しようと思って, 君の主な長所全てについて見積り, 集計してみた. 過去に付き合った人の中で君は最高得点. 嬉しいよ. まあ, 全ての分野についてハイスコアというわけではないし 僕のサンプル数が統計的に有意でない可能性もあるけど... でも, 総合すれば君は断然ずば抜けている. 僕が君よりスコアのいい人に出会える確率は 0.00477 で, この数字は漸減傾向にあるから, 結婚して欲しい.

...というのは売れないライトノベルからの抜粋ではなく, IEEE Computer Society の会誌 "Computer" 9 月号から "Engineering Decisions" というコラムの一部を適当に訳したもの. エンジニアと普通の人は違うものの考え方をするから気をつけなさい, 対人関係や人生の節目でエンジニア的分析をしてはダメですよという内容だった. エンジニアは国を問わずしょうもない人間が多いのか. そう思うと泣ける. 記事を書いたのは元 Intel のアーキテクトで, この記事は成功者から follower への助言ということになる. こういう説教をするのが大学教授ではなく, 企業出身のエンジニアだというところがアメリカらしい.

それにしてもこの説明しがたい脱力感はなんだろう. エンジニアリング的判断さえろくにできないから疎外感を感じるのかもしれない. これは読者の職業的能力を自明のものとし, その能力に批判的でありなさいという記事だ. だから気が滅入るんだな. 能力のあることが対人関係の障壁であるならまだいい. 能力を行使しないという選択ができるから.