2003-12-27

近況

昨日, 今日と急に寒くなり, ガスファンヒーターの出番が来た. 暖い. 燃やしてるなという実感がある. 注意書きにある一時間に一回の換気を忘れるのが心配だったが, 杞憂になりそうだ. 体が酸素の薄さを訴えてくる.

森林が酸素の供給にもっている影響力についておおよそ納得した. しかし酸素がどうやってふえてきたかは気になる. "全地球史解読" によると, 25 億年前くらいから光合成をする生物があらわれ酸素濃度が上がりはじめたとある. それら光合成生物の大発生によって, あるいは光合成でできた有機物が還元されず残ったことによって酸素濃度が増えた(らしい). 言われて見れば昔は酸素を吸う生物なんていなかったんだよな. 酸素がなかったから. それはさておき, 酸素の黒字に貢献した炭素はどこに行ったんだろう. 化石燃料みたいに酸化しやすい形にならず, 地の奥底でおとなしくしていて欲しい.

酸素が足りない心配は置いておき二酸化炭素が増える話をウェブで眺めていると, 大気の組成の謎 という記事をみつける. CO2 には 水に溶け海底で固まって炭酸カルシウムになる という路線もあるらしい. 発生した CO2 量がそのまま大気中の CO2 量になるわけではないのだな.

温暖化論を支持するものでも否定するものでも, こういう現象個別の議論は安心する. 実際には様々な現象すべてが組み合わさって結果があらわれるのだから, 個別の議論を集めることに固執してばかりでは議論が進まない. それでも因果関係の持つ説得力に私たちは弱い. 統計という結果を中心に議論するロンボルグの主張を受け入れにくいのは, 過去に広められた各種の因果論がもつ印象の強さが足枷になっている気がする. その敷居を下げるために個別の議論に口をだしても, それぞれの専門家にはなかなか敵わない. 統計中心の視点で議論するのは難しい. それを受けとる側にも訓練がいる.

ロンボルグのその後

kuro5hin に "Skeptical Environmentalist Vindicated" という記事. DCSD (Danish Committees on Scientific Dishonesty: 科学の不正直さに関するデンマーク委員会) によって出されたロンボルグ批判を, 同じデンマークの科学省が覆したという話. ロンボルグや訳者はあとがきで批判の多さについて色々書いている. DCSD による批判もそういう流れのひとつ. ただ DCSD というのは公的なものらしく, ロンボルグにとってこの批判は痛手だった(政治的)ということのようだ. それにしても "Scientific Dishonesty" とはどぎつい名前の委員会だこと.