2004-02-09

近況

トップページを Wiki にした. 案外違和感がないもんだな. ローカルに書き貯めたプレインテキストのメモと違い, ミタメの華やかなのがいい. 何か書こうという気になる. ミタメの華やかさは Wiki 本来の特性とは違う. 本家 Wiki なんてこの地味さ. これは Wiki が進化の過程で身につけた新しい特徴だと言える. 一方で本来の目的であるコラボレーションをみると, 個人 Wiki ではあまりうまく機能しないことが多い. コミュニティ運営の難しさを Wiki が魔法のように解決してくれはしない.

とはいえ自分一人で書いても, ページが増えていくのを眺めるだけで Wiki はそれなりに楽しい. 盆栽みたいなものだろうか. テキスト盆栽. ウェブサイトも盆栽ぽさがあるけれど, もっと手軽だ. 盆栽というよりポトスかもしれない. しばらくはローカルメモの整理に使ってみようと思う.

会社で Wiki

会社でも Wiki を使っている. ひとつはお遊び Wiki, もう一つはプロジェクト用の Wiki. プロジェクト用 Wiki はお手軽グループウェアとして使い, ミーティング議事録, バグトラック, 設計ドラフト, スケジュールなどを書いている. もう一つの Wiki には特に目的がない. そういう Wiki をはやらせるのは難しい. ただ社内なので互いに顔を知っている. また割といちおう(同じ会社を儲けさせるという)共通目的があるし, 使っているツール類も似ている. こんな風に共通部分の多い母集団の上なら、 公開された Web よりも Wiki の運営は上手く行きそうな気がする. それで社内 Wiki をたちあげてみた. ただ, やはりすぐ廃れてしまう危惧は大きい. そこで知り合いや同僚に相談してアイデアを貰い, いくつかの工夫をしている.

トップページにニュース

トップページ(FrontPage)をニュースページということにして, ウェブから拾ったニュースを書き連ねた. 暇な時は毎日, 忙しくなると週に1回くらいの頻度. Wiki は書き込みがなくなると死んでしまう. 何でもいいから書こうと思うとニュースクリップは手頃な題材になる. 日記でもいいが, たとえば私の日記ばかりが更新されてしまうと Wiki が私物であるような印象にななって投稿の意欲を削ぎかねない. そういう意味でもニュースクリップは妥当に思える. 公共性が高そうだから. ニュースはコメントをつけるのにも向いている. 会社の同僚には slashdot 読者も多くいるようで, ニュースにコメントするという風習に馴染んでいるのかもしれない.

とりあげる話題は雑多な方がよさそうだ. 読者の幅を広げる効果がある. 個人的にはテクニカルな話題が好きなのだけれど, 例えば boingboing のようなノリのアホネタの方が盛り上りやすい. 逆にマイナーで趣味的な話題に対し思わぬ人から反応が来て, 同僚の思わぬ一面を見ることもある. もっとも, こんなことを深く考えることはすくない. ふだんは自分の興味に任せて好き勝手に書いている.

そのうち私以外の人もニュースを投稿してくれるようになった. この試みは割とうまくいったと思う.

メンバーページと近況

基本的にその Wiki は同期入社の同僚向けというスタンスで作ったものだ. 彼ら同期生(小さい会社だからあまり多くない)にお願いして, 自分のいる部署や現在の仕事などが書いてある自己紹介ページを作ってもらった. そこにちょこっと近況や愚痴を書いたりする. こういう自分ページの構成は, まずメンテナのページでサンプルを示すのが良い. 真似してもらえる. 自己紹介ページを作ってもらう時は, 相手の机に出向いてその場で実際に作ってもらうこともした. Wiki に慣れていない相手なら, その場でレクチャーすることができる.

別のフロアにいる同僚が時々近況を書いてくれると, けっこう嬉しい.

掲示板プラグイン

Wiki の UI に敷居の高さを感じる人はやはり多いようだった. そういう人が疎外感を感じないよう, 比較的フレンドリーな UI である掲示板風のページを用意しておくのは意義がある. なんとなくつぶやきたい, という時に使われている様子.

企画ページ

たとえば投票用のプラグインを使って何かやる. これは案外すぐに飽きられてしまった. (なにより私が飽きてしまった...)

こんな風に運営したところ, Wiki は今でもそれなりに廃れず使われている. 本来の Wiki らしい使い方をする人はまだ少い. そういう使い方を afford するアイデアはないかしら, と最近はおもう.

追記

社内 Wiki をたてて半年以上たつ. その間に, 既にいくつもの社内 Wiki があることを知った. お遊びからプロジェクト用まで用途は色々で, およそ 10 個くらいはあるようす. エンジンのシェアは PukiWiki がトップで moinRWiki が少しずつ, というところ. 私は PukiWiki を使っている. PukiWiki は基本機能, プラグインの多さ, ミタメの良さとバランスがとれている. なによりちゃんと継続的に開発されており, 安心感があっていい.