2005-06-19

日記

日記六日目. 10 時起床, 洗濯, 掃除. 洗面所付近の異臭は流水口に詰まっていた髪の毛が怪しい. 除去.

"Evolving Frameworks: A Pattern-Language for Developing Object-Oriented Frameworks." 読む. Smalltalk(VisualWorks)の発展を例にとり, フレームワークの進化をパターン化する. いまいち. どう発展してきたか(歴史)と, どう発展すべきか(目標)を混合している気がする. 全ての Framework が VisualWorks と同じ道をとおる謂れはない. 継承ベースのフレームワークは滅びへ向かう進化の袋小路だ. それを推すのには同意できない. 全体的にフレームワークありきの議論なのがそもそもの違和感かも. 著者は one of GoF の Ralph Johnson だから仕方ないけれど. そういえば anogher GoFである Gamma のインタビュー "Erich Gamma on Flexibility and Reuse" が面白かった. "Frameworkitis" (フレームワーク病) という言葉を使ってその乱用を戒めている: Frameworkitis is the disease that a framework wants to do too much for you or it does it in a way that you don't want but you can't change it. . 先の論文で出てきた "いくつか実際のアプリケーションを作ってからそれをフレームワーク化しろ" という "Three Examples" の主張はこのインタビュー内の Gamma の発言と符合する.

外出, 時間つぶしに池袋散歩. デジカメを忘れる. 考えごとをしながらあるいたため特に発見なし. 社内の文書化フローが抱える問題の根本は, コードを読む側, 使う側でなく書く側を優先しているせいだと結論. 社内の力関係そのままな感じがする. 私は力のある側にいるから当面の実害はないが, 倫理と将来を考え趣味プロジェクトでは自衛策を試すことにしよう.

ジュンク堂で柴田元幸の講演を聞く. "アメリカン・ナルシス" 発売記念. 影響をうけたのは ブローディガン "アメリカの鱒釣り" の翻訳や 三浦雅士 "私という現象" から, という話や, あと即席で訳したというホーソーンの朗読. 文章もよかったが, なによりその翻訳スピードにあきれる. 電車の中で訳したというのだから. そのほか色々. メモはとらなかった. もうあらかた忘れかけている...

知人と飲む. 近況など. 話を聞きながら, 人間も各人の reflectivity に差があるのではないかと妄想する. C/C++ のようにメタ情報が失なわれている人, Java のように inspection のみを持つ人, Smalltalk/lisp のように reflective な人. 前者ほどスピーディで後者ほど思慮ぶかい. 前者ほど楽観的で後者ほど悩みが深い. ただし計算機と違い, 人間は経験をつむことで reflectivity を実行時に制御できる場合がある. 以上, 単なる与太話. ムール貝についてくるパンはスープに浸して食べるのだと教わる.

14:00 外出, 24:45 帰宅, 昼飯 KFC, 晩飯大戸屋, アルコール Frigo. 懸念事項一点結着. 要後始末.

Coding Baton

出典は : *失 言 小 町*.

今コンピュータに入ってる開発環境

ふだん実際に使ってるのは半分くらい. あとはたまに.

今書いているコード

仕事以外で直近だと会社のウェブシステム用 bookmarklet. あとはサーバサイドのブックマークもどきを作っていたけど挫折中.

衝撃を受けたアプリケーション

たぶんだいたい時系列.

よく読む、または特別な思い入れのある、技術・コンピュータ関連書籍5冊

これも時系列.

コードコンプリート, ライティングソリッドコード, デザインパターン, Modern C++ Design あたりは次点. 上の本に劣るという意味ではなく, 単に読んだタイミングの問題. デザインパターンは読んだ時はさっぱりだったけれど Java を使うようになってから有難味がわかった. Modern C++ Design は凄いと思ったけれど C++ を使う機会が減ったので出番なし. コード・コンプリートやライティングソリッドコードは新人の必読書に指定したい. 要件が "衝撃を受けたコンピュータ書籍", "よく使う、または特別な思い入れのあるアプリケーション" だと, またリストが違ってくるかもしれない.

こうして見ると, 私の学生時代は C++ でオブジェクト指向のグラフィクスをやることに終始していたのだな. もう少し基礎技術の勉強に労を割いても良かった気はする.